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8月, 2018の投稿を表示しています

最近面白かったゲーム(2018/08/27)

1.ロンドン 第2版(評価:7/10)  ワレス氏のレース・フォー・ザ・ギャラクシーとも言われる拡大再生産のカードゲームです。  ルールは中量級らしくきれいにまとまっていて、手番では  ・都市カードをプレイする(手札から自分の場に出す)  ・都市を運営する(自分の場のカードを実行する)  ・地区カードを購入する  ・都市カードを3枚手札に加える  のいずれかを行い、これを繰り返します。  このゲームの面白いところは、借金と貧窮トークンにあると思います。  どちらもゲーム終了時にマイナス点を生むためなるべく終了時までになくしたいですが、いずれも大きく拡大しようとするとつきまといがちです。  そのため、どこまで借金や貧窮トークンを受け取って、ゲーム終了時までに少なくするかの計画性が問われます。    総じて手札やお金などのリソース管理と、先述した計画性の楽しい作品です。今後も定期的に繰り返し遊びたいゲームです。 2.アルケミスト(評価:8/10)  ゲームバランスをプレイヤーで作る不思議なゲーム。  手番でやることは  ・ポーションのレシピを作る  ・他人の作ったレシピでポーションを作る  ・ポーションの材料を獲得する  のいずれかです。  ポーションは作るのに必要な材料、作ったときに手に入る材料と得点で構成されており、レシピを作る際はこれをある程度自由に設定できます。  しかしポーションを作るときに使えるレシピは他人の作ったものだけなので、材料や得点のバランスをよく考える必要があります。  深い霧の中をゆっくり進むようなプレイ感で、なにをしたらプラスにつながるのかなかなか見通すことができません。ルールは簡単でやることも明確なのにこのプレイ感は独特で、私はとても好きなゲームです。

最近の面白かったゲーム(2018/08/20)

1.イリュージョン(評価:7)  シンプルなクイズゲーム。話題のデザイナー、ヴォルフガング・ワルシュ作。  カードに描かれた色の面積を昇順に並べていくゲームで、似たタイプのゲームだとタイムラインなどがそうじゃないかと思います。    しかし、このゲームがすごいのはクイズゲームから言語依存や知識の差をとっぱらい、感覚だけでの遊びにした点だと思います。  かなり幅広く遊ぶことのできるゲームで、日本語版が発売されて入手しやすくなれば(アークライト様から発売予定)、ちょっとした隙間などに遊びやすいゲームとしてひとつの定番になるんじゃないでしょうか。  めちゃくちゃ面白くて新規性の高いゲームだとは感じませんでしたが、出しやすく遊びやすい非常に優秀なフィラーだと思います。

【紹介】ハイソサエティ

品よくお金を使うのが上流階級の証。使いすぎに気をつけて! 【評 価】8/10 【運要素】中。運だけでは勝てませんが、最後の勝敗は運次第なところも。 【戦略性】中。どこでどれだけお金を使うかの計画性が大切です。 【難易度】易。少し例外処理もありますが、難しくはありません。 【ルール概要】  競り上げ式の競りゲーム。ただし、競りの途中に出したお金は戻さずに金額を釣り上げる必要があります。  競りでは得点のかかれたタイルを競ります。最終的に最も得点を稼いだプレイヤーが勝利します。  ただし、ゲームの最後に最もお金が少ないプレイヤーは得点計算に参加することなく脱落します。 【魅力その1 脱落者になるかならないかの緊張感】  概要にも書いた通り、このゲームでは競りゲームながら最終的に所持金が最も少ないと脱落してしまいます。お金を稼ぐ手段はありませんので、競りでどこまでお金を使うか、使わせるかという駆け引きで脱落者が決まります。  使った合計金額は正確にカウンティングしていない限りあやふやになるため、最後まで緊張感のある競りが楽しめます。 【魅力その2 アクシデントタイルによる変化】  競る対象のタイルの中に、アクシデントタイルというマイナス効果のタイルが3種含まれています。これらは通常の得点になるタイルとは競りが異なり、「最初に降りたプレイヤーがタイルを受け取り、残りのプレイヤーは宣言してきた金額を支払う」競りになります。  これにより、競りを繰り返すだけにもかかわらず単調さを感じることがありません。 【魅力その3 タイルの登場順で生まれるドラマ】  ゲームはタイルの中に含まれる赤いタイルの4枚目が競り対象になったらその時点で終了します。  競り対象のタイルはもちろんランダムに登場するので、場合によっては登場しないタイルが出てくることもあります。  また登場順によって脱落者が変わることも頻繁なので、自然とドラマチックな展開になります。 【総評】  クニツィア氏のデザインだけあってさすがの一言。競りゲームではこれ以上ないほどコンパクトなルールとドラマチックな展開でありながら、競り特有のヒリヒリした緊張感を全く損なっていないのが素晴らしいです。  ニューゲームズオーダーさんの日本語版は競りの対象がタイルになっており

【紹介】コロレット

めくるか取るかの二者択一。シンプルで最高なジレンマ。 【評 価】9/10 【運要素】中。めくり運の影響は小さくないが、小箱としては標準くらい。 【戦略性】中。軽いながらもほどよい戦略性が非常に気持ちいい。 【難易度】易。シンプルなカードゲームで初めてのゲームとしてもオススメ。 【ルール概要】  ・手番では以下のどちらかを行う。    - 1枚山札からめくって、いずれかの場札に並べる。    - いずれかの場札を取り、自分の手元で色ごとに集めて並べる。  ・これを繰り返し、ゲーム終了時に3色だけがプラス点になる。  ・プラスにならなかった色はすべてマイナス点になる。 【魅力その1 二者択一が最高のジレンマ】  コロレットの魅力は何よりもシンプルでわかりやすいジレンマが素晴らしいです。ただめくるか取るかを選ぶだけで、こんなに悩みたくなるのは初めて遊んだとき衝撃でした。  遊べばきっと「めくってから取りたい」と呟くことになるでしょう。 【魅力その2 ちょっとしたアクセント】  アクセントとして純粋なプラス点のカードや、ワイルドカードが何枚か入っています。  これらにより、ジレンマは一層楽しいものになり、ゲームも抑揚がついて単調でなくなっています。 【魅力その3 裏面のバリエーション】  得点計算の種類が2種類あり、表面では3色を集めただけ得点が大きくなるのですが、裏面では特定の枚数に留めることで得点が最大化するようになります。  ただ集めるだけではダメになり、いつもと少し違って新鮮な気持ちでコロレットを楽しめることでしょう。 【総評】  繰り返しになりますが、とにかくジレンマが最高なゲームです。  これだけシンプルなルールでこんなに悩ましいゲームは素晴らしく、デザイナーであるシャハトの切れ味を堪能できる傑作です。