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最近面白かったゲーム(2017/12/25)

1.リトルタウンビルダーズ(評価:7/10)  写真は撮り忘れ。ゲムマ新作のワーカープレイスメント。前回遊んだときの記事は こちら 。  2回目の今回はランダムサプライ&3人で。やはり同じくらいの強さの人同士で目標タイルの達成を目指していくと、目標タイルの強弱で勝負が決まりそうです。とはいえこれは多分目標タイルの達成をどこかで捨てて、より点数効率のいい動きを考えたほうがいいのかなとも思います。  目標タイルのおかげでガチになりすぎないようになっているのが自分には大きく、ランダムサプライや3人でもパフォーマンスが落ちないように感じたため、評価6→7にアップしました。 2.ペアーズ  こちらも写真撮り忘れ。  僕が持っているのはテンデイズゲームズさんから出ている小鳥版で、「基本ルール」と「ことりあつめ」の2種類が添付されています。ウェブに他のルールもありますが今回はそちらを。  「基本ルール」はシンプルなバーストゲームで、ゲーム慣れしていない人ともさらっと遊べる良フィラーです。今回は会社の忘年会に持ち込んだため、対応できる人数に幅があって誰でもすぐ遊べる本作は重宝しました。  「ことりあつめ」は競りとバーストのゲームです。こちらは忘年会翌日に同僚と。待ち時間に軽く遊べるゲームながらぎゅっとジレンマが凝縮されており、僕は結構好きです。  どちらも手軽でちょっと遊ぶのに丁度いいゲームじゃないかと思います。 3.青春スパイラル(評価:6/10)  ゲムマ新作。手札循環型の大富豪。学校というテーマにそって、3学年=3回勝負します。  1,2学年目は一度に出せるカードは3枚までですが、3学年目は無制限に。しかも手札は循環しており、1,2学年目では次の学年を見越してある程度手札を準備できるため、3学年目はかなり派手な戦いになります。この辺り、トリテの「トランプ、トリック、ゲーム」を思い出しました。  また、ゲームの勝者は3学年目の勝者(=手札をなくした人)なのですが、いくつかの特殊勝利もあり、緊張感があります。  難点としてはパス時に手札交換があるため、大富豪と比べるとかなりテンポは悪いです。また、初期手札が極端に悪いとなにもできないのではないか懸念があります。  ルールもやや多く、大富豪の気軽さを想像していると戸惑うかもしれませんが

最近面白かったゲーム(2017/12/18)

1.アズール(評価:7/10)  話題の新作。パズルとリソース管理のゲーム。  ゲームはラウンド制。1ラウンドは大きく2つのフェイズに分かれていて、「タイルの取得」→「タイルの配置」を行ったら次のラウンドへ移ります。  「タイルの取得」フェイズでは手番順に、お皿のようなタイルに乗ったタイルか、中央のいずれかから1種類のタイルを取得しなければなりません。  取得したタイルは基本的に5つの横列のうちいずれかに配置します。1つの横列には1種類のタイルしか置けず、その横列に対応するタイル配置スペースに配置済みのタイルも置けません。  そして、置けなかったタイルは失点になります。  そのため、タイルの取得時にどこを取ると次の手番に何を取ることになりそうか予想しておかないと、大きく失点することになります。  「タイルの配置」フェイズでは埋まっている横列だけ、それに対応した箇所へ1枚タイルを移動します。移動した横列はリセットされますが、移動できなかった(埋まっていない)横列はそのまま次のラウンドまで残ります。すなわち、「タイルの取得」フェイズがすでにいくつかの横列にタイルが置かれた状態ではじまるため、なにもない状態に比べて若干苦しくなります。  また、配置されたタイルは即座に得点をもたらします。この得点方法が「配置されたタイルの縦・横それぞれで、つながっている個数」なため、配置の順番や仕方によって得点が少し変わってきます。  誰かが盤面の側(取得時に並べる側ではない)で、横1列を埋めきったらゲーム終了です。  ゲーム終了時には横1列につき2点、縦1列につき7点、各種類のタイルを5枚配置していたら1種類につき10点を追加し、最も点数の高いプレイヤーが勝利します。  運要素は各ラウンドの開始時にしかなく、タイルをどう取るかが悩ましい素敵なゲームでした。他人に楽をさせないようにプレイする感じや、シンプルなルールから、どことなく宝石の煌めきを彷彿とさせます。個人的にはまだまだ評価もあがりそうで、もっとプレイしたい一作です。 2.インディアンサマー(評価:6/10)  コテージガーデンに続くウヴェ氏のパズル3部作の2作目。パッチワークやオーディンの祝祭も数えると4作目くらいな気もしますが気にしない方向で。  今作の特徴は穴の空いたピースと、リソ

最近面白かったゲーム(2017/12/11)

 ゲームマーケット2017秋に一般参加しつつ、様々な方とボードゲームをしました。その中でも特に面白いと思ったゲームのご紹介です。 1.マンモス(評価:6/10)  写真は撮り忘れ。  親の指定した生き物を、順番に枚数を宣言しながら裏向きで出していきます。まず間違いなく途中で指定の生き物が足りなくなるため、どこかで指定された以外の生き物を混ぜることになります。  もし指定以外の生き物が混ざっていると思えばダウトを宣言するのですが、面白いのはこのときめくっていいのはダウト宣言した対象のカードのうち1枚だけという点。  つまり「マンモス2!」と宣言してだされたカードの一方がマンモス、一方が別のカードだったときにマンモスをめくってしまえば宣言が正しかったことになります。  宣言が正しければダウトした人が、間違っていればカードを出した人が場に出ているすべてのカードを引き取ります。手札を最も早くなくした人の勝利です。  生き物カードを種類ごとに全て集めた場合(例えばマンモスなら2枚)、そのカードが絶滅したということで手札から捨てられるため、わざと引き取るのも一つの手段になっています。  自分としては勘所のつかみにくいゲームで難しいですが、軽くて面白いゲームだと思います。 2.ハーフパイントヒーローズ(評価:未定)  写真は撮り忘れのためなし。時間の都合でゲーム説明的に3ディールだけ。  ポーカーでビット系のトリックテイキングをするようなゲームです。  手札をみて自分の取れそうなトリック数をビット、その後そのビットを外しそうな人をまたビットして、ポーカー的な役を出していきます。  特に面白い点は2つ。  1つ目は喧嘩勝利という3トリック連続で誰かが勝った場合の特殊勝利です。3連続勝利した人がディールの勝者となります。このときビットは全て無視され、得点できるのは3連続勝利者だけになってしまいます。  2つ目は6ディール連続で「自分のビット数を当てる」「喧嘩勝利」のいずれかだけだったとき、銃撃戦という特殊勝利が発生します。これはゲームの勝者で、これまでの得点を無視してその人が勝者となります。  ちょっと凝ったつくりで10ディールと長めのゲームですが、職人芸のような緻密さがあってとても好きです。早めにちゃんと10ディール遊んでみたいと思っています

【紹介】大鎌戦役

 この記事は ボドゲ紹介 Advent Calender 2017 、4日目のものになります。  詳しくは是非リンク先を!  さて、今回は紹介ということで、僕が今年初めて遊んだ中で最も好きなゲーム、大鎌戦役を紹介したいと思います。   ◯概要  以下、アークライト様より引用。  『サイズ』は1920年代のもうひとつの世界の舞台にした、重量級4X(探検・拡大・開発・破壊)ゲームである。そこは農業と戦争の時代、そして傷ついた心と古びた兵器、発明と勇気の時代であった。 欧州に積もる雪は人類最初の世界大戦の灰で黒ずんでいた。かの大戦に重装甲兵器《メック》を送り込んだ「ファクトリー」と呼ばれる大都市国家はその門戸を閉ざし、近隣国家に注視されていた。戦場へと赴く五カ国のうち、自分の帝国を東欧の支配者にまで成長させ、富と名声を得るのは誰か? 世界中で数々の賞を受賞した世紀の傑作重量級ゲームが、完全日本語版となって堂々登場!  というわけで、巨大兵器メックが闊歩し灰燼烟るディーゼルパンクな世界で、謎の大都市国家ファクトリーと東欧の覇権をめぐる、ドラマとロマンの溢れるゲームです。 ◯魅力その1――シンプルなベース  このゲーム、プレイ時間は115分の4Xゲームなだけあってそれなりにルール量があるんですが、実際にはそんなに難しいゲームじゃなかったりします。  というのも、プレイヤーに与えられている選択肢はたった4つなのです。手番では個人ボードに描かれた4つの区画から、1区画を選択します。この1区画は上下に1アクションずつアクションが示されていて、この2アクションをそれぞれ実行できます。  つまり、4組8アクションから1組2アクションを選ぶだけなんです。  もちろんこの選択肢には各国の特殊能力なんかも絡んでくるので一筋縄ではいかないわけですが、それでも4つから1つを選ぶというのは比較的わかりやすいんじゃないかと。 ◯魅力その2――直接攻撃の軽減  4Xであり、戦争をテーマにしているだけあって戦闘がありますが、このゲームにおける戦闘は『殴りかかって勝ったのに痛い』可能性があります。  というのも、ゲーム中に非戦闘員であるワーカーを戦闘に巻き込んだ場合、勝利点に直結する民心が下がるのです。  また、戦闘で勝つために必要な軍事力は使い切りで

最近の気になるゲーム(2017ゲムマ秋)

 もうすぐゲームマーケットということで、ゲムマ新作で気になるゲームをピックアップして紹介したいと思います。以下順不同で、いずれも自分が購入予定のものです。 ◯ ハンザの女王  手札が2枚のマジョリティゲーム。使ったところからカードを補充するところなどはシャハトのパトリツィアを彷彿とさせます。  個人的にこのゲームならではだと思うのは、それぞれのマジョリティの得点をゲーム中に決めるところ。これによって、時にはマジョリティで2位や3位の方が高得点となることもありえます。  要素要素をみると重くなりすぎるのではと思うところですが、やはり手札2枚によってほどよく選択肢が狭まるんじゃないかと。是非とも遊んでみたい作品です。 ◯ 天下鳴動  ダイス3つで陣地取り。  振ったダイスのうち2つでエリアを選択し、残った1つがそこに投入される戦力となります。これだけでも悩ましく面白そうなのですが、さらに決算時には決算処理の終わったエリアから2個だけ隣接エリアへ移動! これによって複数の陣地を連鎖的に取ることが狙えます。  最小限のルールでこぼれるようなジレンマが楽しめる逸品なんじゃないかと。 ◯ 青春スパイラル  3年の間にヒロインと仲良くなって卒業式の日に伝説の樹の下で告白するゲーム。  3ラウンド構成のゴーアウト。1,2ラウンドは前哨戦で、3ラウンド目のために手札を調整します。  マルチエンディングという名の特殊勝利もあり、テーマの再現度もさることながらシステムも非常にスマートで、面白いゲームではないかと楽しみにしています。 ◯ 皇帝なき帝国  ちょっとしたリソース管理と二層構造のマジョリティ。  隣接しているマス数で取り合う『貴族』と隣接している戦力数で取り合う『都市』の取り合いを同時に行うという点が面白いです。また、配置に関連して、配置できる手札のちょっとした管理もゲームを悩ましくしています。  要素としては安心感のある組み合わせながら新鮮な気持ちで遊べるゲームではないかと思います。 ◯ 航海の時代 the DICE  看板に偽りなしの航海の時代ダイスゲーム。  航海の時代ではロンデルで収入や投資先を選択しましたが、こちらはダイスで決まります。  方や運要素なし、方やダイス運大きめと差が大きいですが、投資先は投資が美味

最近面白かったゲーム(2017/11/13)

1.世界の七不思議 拡張:指導者たち(暫定評価:8)  ドラフトゲーの名作、『世界の七不思議』を指導者拡張入りで。  指導者拡張によって少しだけ方針を固めやすくなりました。また、指導者はどれもお金を消費してプレイするため、お金の価値が少し上がったかもしれません。  プレイ感の変化はほとんどなく、遊びやすさが上がっているように感じてなかなか好みの拡張です。他に2つ拡張があり、そちらも面白いと聞いているので試してみたいです。 2.ティカル(暫定評価:6)  ジャングルを探検する陣地取り。  少しずつボードが華やかになっていくのはそれだけで楽しい。  基本ルールではタイルのめくり運が大きいですが、ガチになりすぎないところは好みです。  ルールはシンプルで面白いゲームだと思いますが、アクションポイント性のためか、ルール量の割に時間が間延びしがちなところは欠点かもしれません。 3.ファラオの恩恵(暫定評価:7.5)  ダイスを振ってからごちゃごちゃする系ゲームの個人的決定版になりそうです。  王への請願との違いはサプライの変化とスカラベトークン。サプライの変化はリプレイ性を生み、スカラベトークンは一発逆転を目指せるのでゲームがマイルドになったんじゃないかと。  全体的にダイスゲームということもあり運に左右され、ガチガチになりすぎず個人的には丁度いい塩梅。ダウンタイムも自分はあまり気になりませんでした。 4.パンデミック:レガシー シーズン2(評価:-)  ネタバレ防止につき写真はなし。  プロローグを1月をプレイ。  プロローグは洗礼とばかりにさっくり敗北し、これで本当にいけるのか? と疑問に思いながら1月に挑戦したところギリギリで勝利。  通常のパンデミックと結構差があるのでプロローグは必須ですが、遊んでみると随所にパンデミックらしさを感じられます。  なおこのゲーム、最初に3つの地名を考えるのですが、筆者が東海地方に住んでいるため東海3県(愛知、岐阜、三重)にしたところ非常にシュールで最高だったことを付しておきます。

最近の気になるゲーム(2017年エッセン)

 今年のエッセン新作(と思われるもの)で気になる作品や注目されてる作品を独断と偏見でピックアップし、紹介したいと思います。 1.アーグラ  『ラグランハ』や『ソラリウスミッション』のミハイル・ケラー氏の最新作。既にHobbyJapanさんから輸入版の販売が決まっており、予約受付中。自分もポチり済み。  内容としては要素モリモリのワーカープレイスメントっぽい。英語ルールを少しだけ読みましたが、どうにも量が多くてざっくりとしか読めず……。   https://boardgamegeek.com/boardgame/230085/agra 2.クイーンドミノ  キングドミノシリーズの2作目。キングドミノよりもう少しゲーマー向けとなった作品らしく、キングドミノが少し物足りなかった自分も楽しく遊べそうです。テンデイズゲームズさんより日本語版が発売予定。  中でもキングドミノと組み合わせて遊ぶルールを『ロイヤルウェディング』と呼ぶらしく、一度遊んでみたいゲームです。   https://boardgamegeek.com/boardgame/232043/queendomino 3.ノーリア  Spiel des Jahres fellowship in 2015で入賞したソフィア・ワーグナー氏のデビュー作。ホイールビルディングという新しいメカニクスと、スチームパンク的世界観が魅力。  BGGでは既にHobbyJapanさんが出版予定になっているため、訳付きか日本語版が国内にも流通しそうです。   https://boardgamegeek.com/boardgame/233676/noria 4.Merlin  フェルト氏とリーネック氏の共作。ダイスを使ったロンデルとのこと。フェルトのゲームは自分にとってハズレにくく、ロンデルのようなアクション管理ゲームは好みなので気になっています。   https://boardgamegeek.com/boardgame/230933/merlin 5.インディアンサマー(小春日和)  コテージガーデンに続くウヴェ氏のパズル3部作の2作目らしい。  穴の空いたピースが特徴的で、見た目も非常に華やか。パズルを埋めたら勝利なようなので、ゲーム終了時はそのフォトジェニックさを遺憾なく発揮できるんじゃ

最近面白かったゲーム(2017/10/16)

1.アンロック(評価:8)  ネタバレ防止につき写真はなし。  謎解きゲームなのでいつもの謎解きメンバーで『グーズ博士の呪われた島』をプレイ。  さすがに難しいと聞いていただけあって制限時間以内のクリアはできず! 最後の謎、もうちょい説明が親切でもいいのでは……? と、ちょっと思ったりもしますが親切すぎても難易度が低くなってしまうので難しいですねー。  ともあれ、どの謎もきれいなことが多く、アイテムを使うのも納得できる組み合わせで非常に良質な謎だと思います。ボードゲームが好きな方も、謎解きが好きな方も是非とも遊んでみて欲しいです。 2.ワイナリーの四季(評価:8)  カード効果が強力なワーカープレイスメント。  ワーカープレイスメントの苦しくなりがちなところを強力な効果を持つカードで緩め、逆にカードの持つ引き運をワーカープレイスメントで引き締めていて全体的にほどよいゲーム。  どんなに強力なカードを引いてもアクションマスにワーカーが置けないとアクションできず、逆にどんなに引き運に恵まれなくてもワーカーさえ置ければ大抵のことはできる。ワーカーも親方ワーカーだけはマスが埋まっていても置けるので苦しすぎない。  全体的に緩めで苦しくないので、初めてワーカープレイスメントを遊ぶ方にもオススメできる秀作じゃないかと思います。

最近面白かったゲーム(2017/10/09)

1.フレスコ(暫定評価:7.5)  フレスコ画を修復するプロットゲーム。  やることはかなりシンプルで、手番順を決め、プロットし、プロット結果に従って順にアクションしていくだけ。  ですが、色々と絶妙でプロットが非常に悩ましいです。  まず『気分パラメータ』が面白ポイントその1で、これが一定より高いとアクション数が+1され、低いと逆に-1されます。これは手番順とも密接に絡んでおり、手番を取るかアクション数を取るかのジレンマに悩まされます。  面白ポイントその2は色の管理で、複数の基本色を混ぜることで混合色を作れるのですが、混ぜることができるのはフレスコ画修復フェイズ(=色を消費するフェイズ)の後というのがよく効いています。  面白ポイントその3は色の偏りです。ラウンドの最初に市場で色を購入するのですが、市場に並ぶ可能性のある色に偏りがあり、例えば混合色のうち紫は市場に並ぶことがありません! すなわち色の価値に差があり、それが修復するフレスコ画の勝利点でも同様だとわかると一層駆け引きが面白くなります。  他にもまだまだ面白さを感じられるポイントはいくつかあるのですが、総じてシンプルながら調整が絶妙で面白い秀作ではないかと。  ルールはわかりやすく、時間も60~90分程度で、拡張も3つ付属と手頃でお得な面白いゲームとして非常にオススメです。

最近面白かったゲーム(2017/10/02)

1.のびのびTRPG ザ・ホラー  写真は撮り忘れにつきなし。  TRPGですが、そもそも本の形式でなく、コンポーネントもダイスとカードであり、多分にボードゲーム的なのでボードゲームとして紹介させていただければ。  TRPGと題されていますが、シナリオの用意、データの予習やルールブックの確認のいずれも不要なのは異色のゲームではないかと。  ゲームは簡単で、イントロダクションカードを一枚引いてどんなシチュエーションが背景にあるのかを共有、以降はゲームマスターとプレイヤーを交代しながら担当しつつシーンカードに書かれたワンシーンを解決していきます。  シーンの解決方法2種類で、一つはルールに従ったダイスによる解決、もう一つはTRPGによくあるロールプレイで、後者は上手く行けばダイスに頼らず解決できます。また、解決時には必ず闇か光のカードを手に入れ、自分の担当するキャラクターが一層個性的になっていきます。  全員が3回ずつゲームマスターを担当したらクライマックスカードを引き、シーンカードと同様に解決します。  非常にシンプル・手軽・短時間ながらTRPG的な面白さを体験できる稀有なゲームではないかと思います。協力ゲームとしてもゆるい雰囲気で、大喜利的に笑いながら遊べる素敵なゲームです。 2.ロシアンレールロード(評価:9)  研ぎ澄まされたワーカープレイスメント。  どのくらい研がれているかというと、リソースがほぼワーカーしかありません。お金は一応ありますが、これもワーカーの上位互換でしかないので実質ワーカー。  じゃあどこで差が付くのかというと、ワーカーを使って発展させていく路線が3つと技術のパラメータがあり、この4つのパラメータの進め具合が少しづつ差になります。また、決算は毎ラウンド行われるため、なるべく得点に結びつくようパラメータを伸ばしたいですが、毎回そう上手くはいきません。となると、今回のラウンドでどのくらいパラメータを伸ばし、如何に次のラウンドで得点につなげるかという計画性も要求されます。  ワーカープレイスメントの基本ともいえるアクション選択だけだからこそ、シンプルで強烈なジレンマが楽しめるようになっているんじゃないかと。 3.コンコルディア 拡張:サルサ ビザンチウムマップ(暫定評価:10)  重めながらシン

最近面白かったゲーム(2017/09/11)

1.パンデミック:キュア(評価:8)  傑作協力ゲーム、パンデミックのダイス版。  通常版と比べ、ダイスなため手軽で相談も気楽に感じる。個人的にはこちらの方が好き。  今回は協力ゲームが初めてのメンバーもいたため最も簡単な難易度で。さすがに余裕のある勝ち方だったが、ヒヤリとする場面も何度かあってパンデミックらしさは楽しめたんじゃないかと。 2.ドラゴンイヤー(暫定評価:7)  フェルトのリソースマネジメントというか手番マネジメントというか。総合的にはリスクマネジメントじゃないかと思ったり。  1年間12ヶ月の間、様々な災厄に見舞われるのでなんとか上手く乗りきろうというゲーム。  ゲームの最初に災厄のタイミングは全て公開されているため、それを見て計画的に対処とその準備を行う。だが、対処できる人材も限られているため、人材雇用のタイミングを逃すと計画通りに準備ができなくなる。  運要素は少ない。特に常に先手番を取れればほとんどない。しかし、先手番を取ろうとすると1行動の効率が悪くなり、行動回数が全員同じなため辛くなるというジレンマ。  全体として辛いゲームだが、かなり面白い。遊んだことのある1時間級のフェルト作品では一番好き。 3.世界の七不思議:デュエル パンテオン(評価:8)  二人用マイベストのバトルラインと同じくらい好きな二人用。  拡張のパンテオンで追加された要素は次の2つ。   ・裏向きのカードをめくるとき、一部のカードにメリットが生まれた   ・パンテオンカードのプレイにより1手パスが可能に  基本ゲームも好きだが、これらの要素で上手く手を組み合わせて欲しいカードを取りにいけるので拡張入りの方が好み。

最近面白かったゲーム(2017/08/21)

1.サンファン(暫定評価:6)  写真は撮り忘れたためなし。  プエルトリコのカード版的位置付け。とはいえプエルトリコに比べると特殊効果が多めでプレイ感は結構異なる。カードの使い方が複数ある点は非常に面白い。  自分はテキスト効果が苦手なので飛び抜けた評価とはいきませんでしたが、それでも楽しく遊べたので特殊効果による拡大再生が好みなら一度は遊んでみて欲しいゲームです。 2.センチュリー:スパイスロード(評価:6)  写真は前回の使い回し。  今回は速度重視で金コイン付きを無条件で狙ってみました。締め付け戦略の方の手が遅れてる間にゴールするも、高得点カードを集めてらした方が勝利。  やはり少し単調は単調なのですが、飽きがくる頃には終わるので良い調整だと感じます。今後のシリーズ作による拡張が見込め、変化の楽しみな作品です。 3.イスタンブール(暫定評価:7)  拡張なしは『短い小路』マップがいまいちで微妙な評価のまま積んでいたのですが、今回入れた拡張『コーヒーとお恵みを』で面白くなるとの噂を耳にして遊んでみることに。  実際、非常に面白かったです。  後手の選択肢がなくなっているように感じた前回に比べ、今回はマップが広くなっていることもあり後手でも困ることはありませんでした。  また、柵の存在により、誰かが同じようなところをぐるぐる廻るのを妨害することができるようになりました。これで走っていそうなトップを止めやすくなったんじゃないかと。  ギルドカードとコーヒーももちろん面白い要素です。  コーヒーは貰える場所も数もちょうどよく、どこに行くのも悩ましいバランスです。  ギルドカードは商人を動かす以外の選択肢が生まれ、これにより実質1手パスができるのが大きいと感じました。  いまいちだと感じていたところから、拡張を入れて大きく評価が変わったゲームです。  私同様拡張なしを一度遊んだきりになっている方は、是非一度拡張入りを試してみて欲しいです。 4.エルドラド(暫定評価:7)  クニツィアのデッキビルド・レースゲーム。2度目のプレイは『ゴールライン』という直線の長いコース。  2枚ドローできるカードが前回強かったのでそれを3枚集めることに成功するも、このコースでは通用せず。使い切りでも素早く森を切り

最近面白かったゲーム(2017/08/07)

1.スターフォール(評価:7)  自分好みな軽めの競りゲーム。  星屑トークンを使って、星々の描かれたタイルを競ってセットコレクションする。  組み合わせとしてはよくあるものだが、競りの方法がダッチオークションなのとお金が基本的に増えないのが良く、短時間で誰でもヒリヒリした競りが楽しめる。  タイル構成表があると嬉しいゲームなので、そのうち作れたらいいなぁ。 2.アンロック!(評価:8)  ネタバレになりかねないので写真はなし。  今流行の脱出ゲーム系ボードゲーム。リアル脱出ゲームより、往年のフラッシュ脱出ゲームに近いプレイ感。  カードを複数組み合わせて様々な課題をクリアしていく点もさることながら、個人的にはアプリの出来を賞賛したい。というのもこのアプリ、時間と進行具合にあわせて巧くヒントを出してくれるのだ。これがちょうどよく、そして気持ちよく解ける。  謎解きの快感を知るのにも、既に知っている人にも面白い素晴らしいゲームだと思う。 3.テラミスティカ(評価:7)  一度遊んだがゲーマーレベルが足りなかったため再プレイ。結果、まさかの一日に二回遊ぶことになった。  要素が多く、キャラごとに特殊能力もあり本来なら好みでないのだが、例外処理が以前感じていたより実際は少なく、アクションもパスを含めて8種類であることをキチンと理解できたからか非常に楽しめた。  ゲームとして楽しめるところまでは来たが、得点を稼いだり最初の種族ピックや初期配置はどうするといいかまだまだ見えていないところが多いので、今後も遊んでいきたい。  関連商品として発売中の拡張や、今年はガイアプロジェクトと呼ばれる新シリーズ(?)も発売が予定なため、これらについても俄然注目し購入を検討したい。 4.大鎌戦役(暫定評価:8)  ずっと遊びたいと思いながら積んでいた大鎌戦役をようやくプレイ!  期待を超えて最高に面白かった。システムはゆるめのマルチゲーム。  内政は拡大再生産方式だが、結構すぐに頭打ちするので拡大再生産の割には差がつきにくくなっている。ゆるい。  もし仮に内政で差がついてしまっても、戦争で殴れば差を詰めることができる。では戦争が厳しいのかと言えばそうでもなく、様々な手段で戦争が起きにくいようデザインされている。  ひ

最近面白かったゲーム(2017/07/03)

1.王と枢機卿(評価:9)  マジョリティ系ゲームのマイベスト。シンプルながら全てのルールが完全に機能する美しいシステムのゲーム。  修道院のマジョリティと枢機卿のマジョリティの二つがあり、枢機卿のマジョリティを上手く制御するには修道院のマジョリティを取る方がやりやすいという二重構造が非常に面白い。更に修道院には道の連続ボーナスがあり、それを狙ったり邪魔するのも熱い。 2.センチュリー:スパイスロード(暫定評価:7)  宝石の煌き系のシンプルなルールのゲーム。システム的にはハンドビルドとリソースマネジメントと拡大再生産。  如何に上手くリソースを産んだり変換したりする手順を作るかが面白い。ある程度手順が組み上がると変化が少なくなってくるが、単調かな? と思い始めた頃にちょうどゲームが終わるので気にならなかった。  あと2つシリーズが予定されており、組み合わせて遊べるらしい? のでそちらも楽しみ。 3.ワトソン&ホームズ(暫定評価:8)  論理パズルのような推理ではなく、推理小説のような推理を行う稀有なゲーム。性質上一度しか遊べないが、はっきり言って最高だった。  今回は初プレイながら評判のいい2話から遊んだ。他のシナリオも非常に楽しみなクオリティ。  1話遊ぶのでかなり体力を使うので、1話ずつゆっくり遊んでいきたい。 4.ファラオの恩恵(暫定評価:6)  王への請願のリプレイ性を向上し、テーマを変更したリメイク。  王への請願はイマイチ合わなかったが、これは面白く感じた。  要因は意外なほどテンポよく進んだこと、スカラベトークンの効果によるものじゃないかと。もしかすると、取得条件とタイル効果が分割されており、わかりやすくなっている様に感じたのも含まれるかもしれない。  何度かリプレイして、真価を確かめたい。 5.エルドラド(暫定評価:7)  クニツィア流のデッキビルド。ちょろちょろとルール間違いがあったので評価は暫定。  今回は初プレイということで『黄金色の丘』マップで遊ぶことに。道中必要なコストに偏りがあるのが非常に上手い作りで唸るばかり。圧縮系やドロー系は安定して強力な気がするが、これらばかり買っていると進めないようになっているのもまた絶妙。  洞窟ヴァリアントをまだ試し

2017年上半期に遊んだゲーム

ほぼ完全にただの表です。興味のある方だけどうぞ。 タイトル 初プレイか ワールズフェア1893 スパイリウム 初プレイ レイルロード・レボリューション 初プレイ カヴァート 初プレイ 犯人は踊る カステリーナのたからもの P.Y.G. 初プレイ ヘラス 初プレイ ブリュークラフターズ 初プレイ ラミネートラミー 初プレイ 似顔絵探偵ガール 初プレイ ペアネコ ロールフォーザギャラクシー メトロポリィス ソラリウスミッション 初プレイ ラグランハ 初プレイ ヨーヴィック 初プレイ ヒットZロード 初プレイ インフェルノ キートゥザシティ:ロンドン 初プレイ キーフラワー農夫拡張入り キーフラワー商人拡張入り 初プレイ ゾックンロール 蒸気の時代 初プレイ コテージガーデン 初プレイ プエルトリコ バトルライン イムホテップ 初プレイ シュティッヒルン 初プレイ アクアスフィア 初プレイ チケットトゥライド メルクリン インジーニアス 王家の谷 初プレイ カルカソンヌ コスタリカ トリックオブスパイ 世界の七不思議 ファブフィブ キャントストップ 初プレイ ダイススター 初プレイ ワイナリーの四季 初プレイ ホワイトチャペル 初プレイ モンバサ 初プレイ ウボンゴ ブラフ ふたつの街の物語 初プレイ 宝石の煌き 5本のきゅうり ガッチャ そっとおやすみ 初プレイ 詠み人知らず 初プレイ チェックポイントチャーリーの捜査犬 初プレイ クウィックス 初プレイ バヌアツ 初プレイ ラブレター DOMEMO ディクシット スカル ストライク 7人のマフィア(えげつな7) ヴァンパイアクイーン ぽいひと 初プレイ コードネーム コヨーテ キングドミノ 初プレイ 電力会社 初プレイ ルールの達人 初プレイ FUSE 初プレイ オルレアン 初プレイ ムガル ロイヤルターフ 初プレイ 航海の時代:王家の書簡拡張入り グリムリーパー 初プレイ ツォルキン 王と枢機卿 ヤオチュー! ワトソン&ホームズ 初プレイ ファラオの恩恵 初プレイ センチュリー:スパイスロード 初プレイ くだものあつめ エルドラド 初プレイ

最近面白かったゲーム(2017/06/12)

1.オルレアン(暫定評価:8)  2015年のKdJノミネート、DSP2位の大作を遅れ馳せながら初プレイ。  メインシステムは袋にチップを入れ、それをカスタマイズしていくプールビルド。まずチップをドローし、同時プロットでチップを各アクションに配置。その後、ひとつずつアクションを選んで実行していく。  ゲームは全体で18ラウンドもあるが、同時プロットのおかげでサクサクと進むのが心地良い。欠点として衝立が付属していないが、いわゆる紳士淑女協定(プロット中は他人の個人ボードを見ない)で自分は気にならなかった。  最初はよくわからないまま効率のよさそうなこと、できることをやっていくが、プレイ中に色々な気付きがあり、終わる頃には『次はもっと上手くできる』と思わせてくれる。ある程度どの要素もやる必要があるが、どれを優先するかは選べる感じなので様々な戦略が試せそう。  総じてリプレイ欲が刺激される秀作。拡張も複数出ており、国内のショップにも時折入荷しているため手に入れたい。  なお余談だが、日本語版には市民トークンの処理に関して少々致命的なエラッタがあるため、エラッタ情報を確認してから遊ぶことを推奨する。 2.ロイヤルターフ(暫定評価:7)  クニツィア先生のレースゲーム。  今回は6人かつ初プレイだったので公開賭けでプレイ。  これがまた面白い! それぞれ馬に賭けた後、順にダイスを振ってどの馬を進めるのか選ぶだけなのだが、全員自分の得になるように馬を進めたいのでひどい主張がバシバシでる。ちょっと抜粋すると次のよう。 「馬の目だからスノーホワイト潰しておこうぜ」 「いや、ここは一番勝ってるAさん潰すためにブラックストーリーを」 「ちょっと待て、馬の目ならまた出て誰か潰してくれるからオレンジーナ進めよう」 「いやそれ全部俺の得にならないだろ!(←振った人)」  また、馬の選択肢は7頭全てが一度ずつ進むまで再度選ぶことができないため、最後の2頭辺りはダイス振る手に力がこもる。  システム的な深みはまだわかっていないが、非常に面白いゲームであることは間違いない。3~4人でオススメとされる、非公開賭けのルールも試してみたい。 3.イス山さん(暫定評価:7)  見た目通りのバランスゲームだが、縦にまっすぐ/滑りや

最近面白かったゲーム(2017/05/29)

1.キングドミノ(暫定評価:7)  2017年のSdJにもノミネートされた軽めのタイル配置ゲー。どのタイルを選ぶか、どこに配置するかのジレンマがシンプルなルールに凝縮されている。  めちゃくちゃ面白いという感じではないけど、軽く緩く遊びたいときに重宝しそう。それなりにゲーム慣れしているなら、ヴァリアントルールの中央王国と調和は入れないと恐らく物足りない。 2.FUSE(暫定評価:7)  リアルタイム協力ゲーム。ダイス振ってカードに描かれた条件を達成し、爆弾を解除していく。リアルタイムゲーのためどうしても冷静な判断が難しい。iOS、Androidに対応した素敵な専用アプリがあり、カウントダウンの雰囲気とスコアの記録がいい感じ。 3.電力会社(暫定評価:8)  発電所の競りとネットワーク構築の熱いゲーム。他のゲームに比べると確かに数値計算が多めに必要だが、ある程度まではどんぶり勘定で拡大再生産の傾斜だとか発電所の対費用効果を考えるくらいでも充分な気も。  さすがに最終盤は詰将棋的にギリギリの計算が必要になるが、頭のなかでソロバンを弾いて最善と思われる手を打てたときの快感は筆舌に尽くしがたい。  『蒸気の時代』を遊んだときにも感じたが、やはり時代を越えて名作と呼ばれるゲームは、それに足る面白さを備えているなと改めて痛感した。 4.ルールの達人(暫定評価:7)  ルールカードと数字カードを各プレイヤーが一枚ずつ出し、ルールカードの条件を達成できていれば得点になるゲーム。ルールの中には条件がぶつかり合うものや協力を促すようなものが上手く混ぜられており、また同じルールは重複して出せないルールのため読み合いが熱く悩ましい。  今回は3人戦のためダミープレイヤーが2人入るが、そこの運も僕は悪く感じなかった。3人でも充分読み合いになり、補充やダミーの運もちょうどいい印象。4人や5人でも遊んでみたい。 5.コードネーム(暫定評価:7)  2016年のSdJノミネート作。チーム戦のワードゲーム。  前回遊んだときはワードを考える時間がかかり気味でどうなのかなーと思ったが、ちょっと難解めなコミュニケーションゲームがしたいなら充分許容範囲だった。  他のワードと関連しにくく、自陣営にだけ上手く伝わるワードを考えられる