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最近の気になるゲーム(2017ゲムマ秋)

 もうすぐゲームマーケットということで、ゲムマ新作で気になるゲームをピックアップして紹介したいと思います。以下順不同で、いずれも自分が購入予定のものです。


ハンザの女王
 手札が2枚のマジョリティゲーム。使ったところからカードを補充するところなどはシャハトのパトリツィアを彷彿とさせます。
 個人的にこのゲームならではだと思うのは、それぞれのマジョリティの得点をゲーム中に決めるところ。これによって、時にはマジョリティで2位や3位の方が高得点となることもありえます。
 要素要素をみると重くなりすぎるのではと思うところですが、やはり手札2枚によってほどよく選択肢が狭まるんじゃないかと。是非とも遊んでみたい作品です。


天下鳴動
 ダイス3つで陣地取り。
 振ったダイスのうち2つでエリアを選択し、残った1つがそこに投入される戦力となります。これだけでも悩ましく面白そうなのですが、さらに決算時には決算処理の終わったエリアから2個だけ隣接エリアへ移動! これによって複数の陣地を連鎖的に取ることが狙えます。
 最小限のルールでこぼれるようなジレンマが楽しめる逸品なんじゃないかと。


青春スパイラル
 3年の間にヒロインと仲良くなって卒業式の日に伝説の樹の下で告白するゲーム。
 3ラウンド構成のゴーアウト。1,2ラウンドは前哨戦で、3ラウンド目のために手札を調整します。
 マルチエンディングという名の特殊勝利もあり、テーマの再現度もさることながらシステムも非常にスマートで、面白いゲームではないかと楽しみにしています。


皇帝なき帝国
 ちょっとしたリソース管理と二層構造のマジョリティ。
 隣接しているマス数で取り合う『貴族』と隣接している戦力数で取り合う『都市』の取り合いを同時に行うという点が面白いです。また、配置に関連して、配置できる手札のちょっとした管理もゲームを悩ましくしています。
 要素としては安心感のある組み合わせながら新鮮な気持ちで遊べるゲームではないかと思います。


航海の時代 the DICE
 看板に偽りなしの航海の時代ダイスゲーム。
 航海の時代ではロンデルで収入や投資先を選択しましたが、こちらはダイスで決まります。
 方や運要素なし、方やダイス運大きめと差が大きいですが、投資先は投資が美味しいものほど勝利点は小さいデザインと一貫しており、変わらぬジレンマが楽しめそうです。


リトルタウンビルダーズ
 ルールを読んだとき、ケイラスを思い出しました。とはいえ要素はずっと削られていてスリムに。特殊能力などもなく、テキスト効果も個人目標だけで非常にわかりやすいものになっています。
 ケイラスと似て非なる要素はアクションをプレイヤーが作っていく点です。ケイラスは決まったアクションを建てていくものでしたが、こちらはアクションタイルをどこに配置するか、ワーカーをどこに配置するかでアクション全体としては内容が変化します。
 非公開情報は個人目標だけですが、ほどよい緩さを期待できそうで、中量級のワーカープレイスメントとして自分好みだと予想しています。 

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