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最近面白かったゲーム(2018/02/26)

1.インディアンサマー(評価:7/10)


 ルールの概要などは前回の記事をご参照ください。
 やはりパズルは簡単じゃないんですが、特殊効果チップにより意外と軽く遊べます。
 理想を言えば、羽根やきのこで赤いタイルをひたすら並べつつ、ナッツを溜め込んでタイブレークに備えたいところですが、さすがにそうそう上手くはいきません。
 やはり羽根やきのこで赤タイルを並べるのは効率がいいんですが、羽根もきのこも入手できる回数が限られており、さらに入手タイミングが遅くなりすぎると使い切れない可能性があります。
 その点ナッツは終盤にまとめて使えるため終盤の追い上げには強いですが、ナッツは1つにつき1マスにしかならないため効率は悪いです。
 動物タイルは非常に強力ですが、早取りであり、しかも各ピースに穴は1つしかないため必ず一定の手番数がかかります。
 これらのことを考えつつも、ピースや盤面は決まってますし、チップの特殊効果もあるため、思考が重くなりすぎることはありません。
 今回、ルールを知っているメンバーで遊んだところ、30分ほどで遊べました。
 パズルが苦手な自分も楽しめ、それでいてシンプルなルールで、しかも短時間に楽しめる良作だと思います。もう少し遊んでみるとまた評価が上がりそうな気もします。



2.マジェスティ(評価:6/10)


 「宝石の煌き」や「バロニィ」で有名なマーク・アンドレのエッセン新作。
 ルールは非常にシンプルで、手番にカードを取って自陣に配置し、配置場所の効果をカード枚数分だけ発動するだけです。ゲームの終了時には配置されている場所の2乗のボーナスと、配置場所のマジョリティによる勝利点が入ります。
 これだけだとめくり運のゲームになりそうですが、そこをこのゲームではカードの取り合いとマルチ的な殴り合いによって解決しています。
 まずカードの取り合いです。公開されている(手番で取れる選択候補の)カードは6枚ですが、山札側のカードを取るためには最も遠いカードから順に一つずつミープルを支払う必要があります。このミープルは手番の終了時に5個以上持っている場合、必ず5個に減らすため、山札からめくられたばかりのカードを連続して取ることは難しくなっています。
 次に殴り合いですが、攻撃は攻撃カードを取ったプレイヤー以外の全体に、平等に与えられます。攻撃された際にダメージを受けるカードは必ず最も左のカードと決まっており、防御カードを一定以上取っていれば防ぐことができます。また、治癒カードによって回復もでき、これらによって攻撃がストレスにならず、それでいて一定の影響力を保っています。この点、非常に優れたバランス感覚だと感じます。
 もっと考えどころがないのかと思っていましたが、意外と色々考えられ、接戦になりました。明らかに強い動きはやはり警戒されますし、勝っていると自然と大事なカードをカットされたりします。
 めちゃくちゃ面白いゲームとは言いませんが、30分~60分ほどでさらっと気持ちよく遊べる作品です。意外とこのゲーム、悪くないですよ?

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最近面白かったゲーム(2018/06/04)

1.ロレンツォ(評価:7/10)  リソースカツカツのワーカープレイスメント。  ワーカーにパワーがあり、パワーは共有ダイスによって決まるため、実質的にはダイスプレイスメントではないかと思います。  ゲーム的にはカードが中心で、どのカードを取得するかが大切になってきます。  カードはおおまかに4種類に分類でき、1種類のカードを集めると大きく得点になりますが、獲得には他の種類がある程度必要になる絶妙さとなっています。    ダイスが共通というのが面白く、通常のダイスプレイスメントよりも運要素が減り、他人のダイス目をいちいち確認しなくていいのは非常に遊びやすいです。またパワーを持たないワーカーだったり、エリアごとに一番手が少しずつ得だったりするのもリソース管理や早取りにアクセントを付けていて、楽しさも悩ましさもひとしおです。    全体的にリソースはカツカツで、ワーカープレイスメントらしいアクションやカードの取り合いにフォーカスされた、明快さの気持ちいい作品です。 2.アルペンツィアン(評価:8/10)  2018ゲムマ春の新作。ダイスを使った紙ペンゲーム。  スタートプレイヤーがラウンドのはじめに全てのダイスを振り、その後手番ではダイスを一つ選び、5色あるマスから空いているところに選んだダイスを配置。対応する目を、自分のシートの対応する色に書き込みます。  やることはたったこれだけなのですが、得点周りが非常によくできており、自分だけでなく他プレイヤーの書き込み状況を考えなければなかなか勝てないようになっています。  ダイスゲームにしてはダウンタイム長めですが、シートへの書き込みにお絵描きを推奨しており、ちゃんと後から見てわかれば自由にマークを描けるのが面白いです。遊んでみて、「ダウンタイムが足りない」と言われるのも納得です。  ダイスゲームらしい運の楽しさがあり、シートを埋めていく箱庭的楽しさがあり、お絵描きという根源的な楽しさがあり、それでいて取捨選択するジレンマの楽しさもある傑作だと思います。

ペーパーテイルズのご紹介

ボドゲ紹介 Advent Calendar 2018、3日目の記事です。  突発ですが、ボドゲ紹介 Advent Calendarに今年も参加させて頂きました。昨年参加した記事は こちら (大鎌戦役について書きました)を。  「ボドゲ紹介 Advent Calendar 2018」については こちら をご覧ください。  【概要】  ペーパーテイルズは、国産インディーゲーム「ヴォーパルス」のリメイク作品です。  ユーロ寄りながら、少しだけTCG的なテキストもある傑作ドラフトゲームです。  より詳しいルールの概要は過去に書いた こちら をご覧ください  【魅力1 経年による時間経過】  ドラフトで巡るユニットカードは、場に出すとラウンドの終わりに経年マーカーを乗せます。また、経年マーカーが乗った状態でラウンドの終わりを迎えると、ほとんどの場合そのユニットは捨て札となります。  経年マーカー一つはゲーム内の25年を表しており、2つ目が乗る50年までにそのユニットが十分に動けなくなることが読み取れます。同様に、2つ目のマーカーが乗っても大丈夫、すなわち長寿なユニットや、最初からマーカーが乗っており残りの寿命が短いもの、はたまたより多くのマーカーを乗せることで価値が高くなるものもあります。  この不均衡さに情緒と、時のうつろいを深く感じます。 【魅力2 経年しない建物】  先程経年について触れましたが、ユニットとは逆に経年しないものがゲーム中に登場します。それが建物カードです。  建物は最初からすべてのカードが公開されており、条件を満たすことで自分の場に建築できます。  建築された建物はゲーム内時間で100年の間、劣化することなく場に残り続け、恩恵をもたらします。この建物カードがあることで、ユニットカードのすぐに退場してしまう儚さが際立っているように感じます。 【魅力3 テーマと一致したシステム】  ここまでご紹介したように情緒と時間を感じられる素敵なテーマです。  同時にシステム的にも優れており、手札運の絡むユニットが2ラウンドで退場することで、運要素の影響を軽減しています。  ユニットとは逆の性質を持つ建物は最初からすべて公開されており、運要素はありません。そのため、どの建物をいつどの順に建てるかは計画的に行え...

【紹介】大鎌戦役

 この記事は ボドゲ紹介 Advent Calender 2017 、4日目のものになります。  詳しくは是非リンク先を!  さて、今回は紹介ということで、僕が今年初めて遊んだ中で最も好きなゲーム、大鎌戦役を紹介したいと思います。   ◯概要  以下、アークライト様より引用。  『サイズ』は1920年代のもうひとつの世界の舞台にした、重量級4X(探検・拡大・開発・破壊)ゲームである。そこは農業と戦争の時代、そして傷ついた心と古びた兵器、発明と勇気の時代であった。 欧州に積もる雪は人類最初の世界大戦の灰で黒ずんでいた。かの大戦に重装甲兵器《メック》を送り込んだ「ファクトリー」と呼ばれる大都市国家はその門戸を閉ざし、近隣国家に注視されていた。戦場へと赴く五カ国のうち、自分の帝国を東欧の支配者にまで成長させ、富と名声を得るのは誰か? 世界中で数々の賞を受賞した世紀の傑作重量級ゲームが、完全日本語版となって堂々登場!  というわけで、巨大兵器メックが闊歩し灰燼烟るディーゼルパンクな世界で、謎の大都市国家ファクトリーと東欧の覇権をめぐる、ドラマとロマンの溢れるゲームです。 ◯魅力その1――シンプルなベース  このゲーム、プレイ時間は115分の4Xゲームなだけあってそれなりにルール量があるんですが、実際にはそんなに難しいゲームじゃなかったりします。  というのも、プレイヤーに与えられている選択肢はたった4つなのです。手番では個人ボードに描かれた4つの区画から、1区画を選択します。この1区画は上下に1アクションずつアクションが示されていて、この2アクションをそれぞれ実行できます。  つまり、4組8アクションから1組2アクションを選ぶだけなんです。  もちろんこの選択肢には各国の特殊能力なんかも絡んでくるので一筋縄ではいかないわけですが、それでも4つから1つを選ぶというのは比較的わかりやすいんじゃないかと。 ◯魅力その2――直接攻撃の軽減  4Xであり、戦争をテーマにしているだけあって戦闘がありますが、このゲームにおける戦闘は『殴りかかって勝ったのに痛い』可能性があります。  というのも、ゲーム中に非戦闘員であるワーカーを戦闘に巻き込んだ場合、勝利点に直結する民心が下がるのです。  また、戦闘で勝つために必要な軍事力は使い切りで...