スキップしてメイン コンテンツに移動

最近面白かったゲーム(2019/01/22)

1.ファミリア(評価:6/10)

 フリーゼ作の軽量級ハンドビルド。二人専用。
 マフィアがテーマの拡大再生産ゲーム。ルールはシンプルで、手札から同じ色、同じ数字のマフィア(カード)を出して、ストリート(場)に並んでいる「出したものと同じ色で一つだけ大きな数字」のマフィアを獲得。獲得に使ったどちらかのマフィアを自分の前に出し、残る1枚と獲得したマフィアを手札に入れます。
 また、カードのランクは0~4、スートも4つなのですが、各色に特殊能力があり、どの色を優先するか悩ましくなっています。
  終盤、やや手が見えすぎ、パズルチックなるのは好みがわかれるところかなと思いますが、ストリートのカードを捨て札にすることで山札から補充するその取捨選択とタイミングの駆け引きが非常に熱く、ゲーム全体として自分は面白く感じました。



2.ボトルインプ(評価:7/10)

 ちょっと変わったマストフォローのトリックテイキング。1ディールのみのため、仮評価です。
 このゲームの特徴的な点として、ボトルの存在があります。通常のトリックと異なり、ボトルの現在価格より低いランクを出した人がいる場合、その(ボトルの現在価格より低いランクを出した人の)中で最も大きなランクのカードを出した人がトリックに勝ち、ボトルを受け取ります。
 このときボトルの価格はトリックに勝利したカードのランクになります。つまりボトルの価格は少しずつ下がっていき、だんだんと他のプレイヤーに移りにくくなるのです。
 そして、もし最後までボトルをもったままディールが終わってしまうと、ボトルの中の悪魔の力で一切の得点ができず失点のみを受け取ります!
 トリックを取るにはそれなりに小さいランクのカードが欲しいですが、そうすると得点できなくなるリスクもあるというのが面白いゲームだと感じます。次回は数ディール続けて遊んでみたいです。



3.ハンザの女王(評価:7/10)

 ゲームマーケット2017秋、ゆるあーとさんの新作。
 手札2枚でマジョリティを争うゲーム。
 手番では4都市いずれかに対応したカードをプレイします。
 表向きでプレイした場合は対応する都市のマジョリティを狙いやすい代わりに、補充できるカードも対応する都市に依存します。
 裏向きでプレイした場合はマジョリティではなく各都市の繁栄度を操作し、補充も好きな都市から行えますが、直接得点するのは難しくなっています。
 また、カードの中には嗜好品を袋からランダムで引けるもの(今回の卓では通称がガチャになりました)や、貴族のセットコレクション、そして裏向きカードのマジョリティもあり、1プレイが様々な仕組みと連動する面白さがあります。
 ルールを読んだときはシャハトの「パトリツィア」に似ているように思いましたが、遊んでみるとプレイ感は大きく異なり、1手が重くパズルチックでシャープなパトリツィアに対し、1手1手の差は微小なため大らかに遊べるゲームだと感じました。
 運と戦略のバランスがとれた良作だと思います。

コメント

このブログの人気の投稿

最近面白かったゲーム(2018/06/04)

1.ロレンツォ(評価:7/10)  リソースカツカツのワーカープレイスメント。  ワーカーにパワーがあり、パワーは共有ダイスによって決まるため、実質的にはダイスプレイスメントではないかと思います。  ゲーム的にはカードが中心で、どのカードを取得するかが大切になってきます。  カードはおおまかに4種類に分類でき、1種類のカードを集めると大きく得点になりますが、獲得には他の種類がある程度必要になる絶妙さとなっています。    ダイスが共通というのが面白く、通常のダイスプレイスメントよりも運要素が減り、他人のダイス目をいちいち確認しなくていいのは非常に遊びやすいです。またパワーを持たないワーカーだったり、エリアごとに一番手が少しずつ得だったりするのもリソース管理や早取りにアクセントを付けていて、楽しさも悩ましさもひとしおです。    全体的にリソースはカツカツで、ワーカープレイスメントらしいアクションやカードの取り合いにフォーカスされた、明快さの気持ちいい作品です。 2.アルペンツィアン(評価:8/10)  2018ゲムマ春の新作。ダイスを使った紙ペンゲーム。  スタートプレイヤーがラウンドのはじめに全てのダイスを振り、その後手番ではダイスを一つ選び、5色あるマスから空いているところに選んだダイスを配置。対応する目を、自分のシートの対応する色に書き込みます。  やることはたったこれだけなのですが、得点周りが非常によくできており、自分だけでなく他プレイヤーの書き込み状況を考えなければなかなか勝てないようになっています。  ダイスゲームにしてはダウンタイム長めですが、シートへの書き込みにお絵描きを推奨しており、ちゃんと後から見てわかれば自由にマークを描けるのが面白いです。遊んでみて、「ダウンタイムが足りない」と言われるのも納得です。  ダイスゲームらしい運の楽しさがあり、シートを埋めていく箱庭的楽しさがあり、お絵描きという根源的な楽しさがあり、それでいて取捨選択するジレンマの楽しさもある傑作だと思います。

【紹介】大鎌戦役

 この記事は ボドゲ紹介 Advent Calender 2017 、4日目のものになります。  詳しくは是非リンク先を!  さて、今回は紹介ということで、僕が今年初めて遊んだ中で最も好きなゲーム、大鎌戦役を紹介したいと思います。   ◯概要  以下、アークライト様より引用。  『サイズ』は1920年代のもうひとつの世界の舞台にした、重量級4X(探検・拡大・開発・破壊)ゲームである。そこは農業と戦争の時代、そして傷ついた心と古びた兵器、発明と勇気の時代であった。 欧州に積もる雪は人類最初の世界大戦の灰で黒ずんでいた。かの大戦に重装甲兵器《メック》を送り込んだ「ファクトリー」と呼ばれる大都市国家はその門戸を閉ざし、近隣国家に注視されていた。戦場へと赴く五カ国のうち、自分の帝国を東欧の支配者にまで成長させ、富と名声を得るのは誰か? 世界中で数々の賞を受賞した世紀の傑作重量級ゲームが、完全日本語版となって堂々登場!  というわけで、巨大兵器メックが闊歩し灰燼烟るディーゼルパンクな世界で、謎の大都市国家ファクトリーと東欧の覇権をめぐる、ドラマとロマンの溢れるゲームです。 ◯魅力その1――シンプルなベース  このゲーム、プレイ時間は115分の4Xゲームなだけあってそれなりにルール量があるんですが、実際にはそんなに難しいゲームじゃなかったりします。  というのも、プレイヤーに与えられている選択肢はたった4つなのです。手番では個人ボードに描かれた4つの区画から、1区画を選択します。この1区画は上下に1アクションずつアクションが示されていて、この2アクションをそれぞれ実行できます。  つまり、4組8アクションから1組2アクションを選ぶだけなんです。  もちろんこの選択肢には各国の特殊能力なんかも絡んでくるので一筋縄ではいかないわけですが、それでも4つから1つを選ぶというのは比較的わかりやすいんじゃないかと。 ◯魅力その2――直接攻撃の軽減  4Xであり、戦争をテーマにしているだけあって戦闘がありますが、このゲームにおける戦闘は『殴りかかって勝ったのに痛い』可能性があります。  というのも、ゲーム中に非戦闘員であるワーカーを戦闘に巻き込んだ場合、勝利点に直結する民心が下がるのです。  また、戦闘で勝つために必要な軍事力は使い切りで...

【紹介】バトルライン

9つの戦場。どこで勝つか、どう勝つか。 【評 価】9/10 【運要素】中。60枚から30枚ずつ引くので手札運はそれなり。 【戦略性】高。局所勝利や役の関係があり、意外といろんな作戦で遊べる。 【難易度】易。ルールもやることも目指す方向もわかりやすい。 【ルール概要】  1.手札から9つあるフラッグのいずれかにカードを1枚出し、その後山札から1枚手札を補充する。  2.フラッグごとにポーカー的な役を作り、強い役を作ったプレイヤーがフラッグを入手する。  3.連続した3箇所のフラッグか、過半数のフラッグをいち早く取得したプレイヤーの勝利。 【魅力その1 ジリジリした駆け引き】  ゲームでは手札からカードを1枚プレイし、その後山札から1枚補充する手順ですが、遊んでいると「1枚引いてからプレイしたい」と思うほどに苦しさを感じます。  手札の死に札をなるべく増やさず、それでいて形を決めすぎて場で負けてしまわないよう、なにをどこにプレイするか素敵な悩ましさに苛まれます。  苦しくも楽しい時間を間違いなく過ごせます。 【魅力その2 2つの勝ち方の戦略性】  このゲームの勝利方法は2つありますが、どちらかだけを重視してはなかなか勝てません。かと言って両方で勝つことも難しいので、バランス感覚が問われます。  また、どうすればその勝利につながるか、前述の駆け引きも含めて考える必要があるのが面白いところです。 【魅力その3 特殊カードの有無による変化】  バトルラインには特殊効果カードがいくらか含まれています。  しかし、クニツィア氏の作品には「バトルライン」から特殊カードを抜いたような「ショッテントッテン」というゲームがあります。  特殊カードが入っていれば全体的に展開の幅が広く、派手めになります。逆に特殊カードを抜くと地味ですが、その分引き締まったゲームを楽しめます。  いずれもそれぞれの面白さがあるので、どちらも是非試して楽しんでほしいです。 【総評】  シンプルでいて強烈なジレンマを楽しめる、2人専用ゲームの傑作です。  僕が書くべきことは多くありません。是非一度遊んで、クニツィアジレンマをご堪能ください!