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最近面白かったゲーム(2018/04/30)

1.クランズオブカレドニア(評価:9/10)

 前回遊んだときの記事はこちら
 2回目の今回は前回とメンバーを変えて3人で。
 今回も資金はカツカツ、陣取りは熾烈、契約の達成も苦しいと非常に楽しめました。特殊効果が上手く使えると少し楽になるので、どうしたら上手く使えるかを考えて遊ぶのがいいんじゃないかと思います。

 2回遊んで、好みがわかれそうな点として「契約の綿花/タバコ/サトウキビの勝利点」があります。これら3つは契約の報酬なのですが、ゲーム中の勝利点は決まっておらず、ゲーム終了時に希少なもの(報酬としてもらった数が少ないもの)から順に5/4/3点になります。ここの操作は難しく、また得点の影響は大きめなので運要素が少し大きく感じます。
 私は未プレイですが、選択ルールで「契約の綿花/タバコ/サトウキビの勝利点を一律にする」というものもあるため、気になる場合はこちらのルールを採用するとよさそうです。

 総合して、リソースや資金のマネジメントと陣取りが上手く相互に作用しており、戦略性やリプレイ性、インタクラクションのバランスもよい傑作だと思います。



2.ムガル(評価:7/10)

 シャハト氏の名作。競り+株のゲーム。何度か遊んではいたものの、面白さがわかっていなかった作品です。
 株券にどの会社かだけでなく、競りの勝利時に売却できる株の種類が枠で表示されているのが変わっています。
 競りに勝利したプレイヤーは「株券を獲得する」か「株券を売却」するかを選んで実行し、最後におりたプレイヤーは選ばれなかった方を実行できます。このため、ときには株券を空売りすることを目指して競りに参加することもあるというのが面白いところです。
 ちょっと変わっているので理解するまでが少し大変ですが、わかってしまえばプレイは簡単で手軽に楽しめます。しばらく何度か遊びたい作品です。

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最近面白かったゲーム(2018/06/04)

1.ロレンツォ(評価:7/10)  リソースカツカツのワーカープレイスメント。  ワーカーにパワーがあり、パワーは共有ダイスによって決まるため、実質的にはダイスプレイスメントではないかと思います。  ゲーム的にはカードが中心で、どのカードを取得するかが大切になってきます。  カードはおおまかに4種類に分類でき、1種類のカードを集めると大きく得点になりますが、獲得には他の種類がある程度必要になる絶妙さとなっています。    ダイスが共通というのが面白く、通常のダイスプレイスメントよりも運要素が減り、他人のダイス目をいちいち確認しなくていいのは非常に遊びやすいです。またパワーを持たないワーカーだったり、エリアごとに一番手が少しずつ得だったりするのもリソース管理や早取りにアクセントを付けていて、楽しさも悩ましさもひとしおです。    全体的にリソースはカツカツで、ワーカープレイスメントらしいアクションやカードの取り合いにフォーカスされた、明快さの気持ちいい作品です。 2.アルペンツィアン(評価:8/10)  2018ゲムマ春の新作。ダイスを使った紙ペンゲーム。  スタートプレイヤーがラウンドのはじめに全てのダイスを振り、その後手番ではダイスを一つ選び、5色あるマスから空いているところに選んだダイスを配置。対応する目を、自分のシートの対応する色に書き込みます。  やることはたったこれだけなのですが、得点周りが非常によくできており、自分だけでなく他プレイヤーの書き込み状況を考えなければなかなか勝てないようになっています。  ダイスゲームにしてはダウンタイム長めですが、シートへの書き込みにお絵描きを推奨しており、ちゃんと後から見てわかれば自由にマークを描けるのが面白いです。遊んでみて、「ダウンタイムが足りない」と言われるのも納得です。  ダイスゲームらしい運の楽しさがあり、シートを埋めていく箱庭的楽しさがあり、お絵描きという根源的な楽しさがあり、それでいて取捨選択するジレンマの楽しさもある傑作だと思います。

【紹介】大鎌戦役

 この記事は ボドゲ紹介 Advent Calender 2017 、4日目のものになります。  詳しくは是非リンク先を!  さて、今回は紹介ということで、僕が今年初めて遊んだ中で最も好きなゲーム、大鎌戦役を紹介したいと思います。   ◯概要  以下、アークライト様より引用。  『サイズ』は1920年代のもうひとつの世界の舞台にした、重量級4X(探検・拡大・開発・破壊)ゲームである。そこは農業と戦争の時代、そして傷ついた心と古びた兵器、発明と勇気の時代であった。 欧州に積もる雪は人類最初の世界大戦の灰で黒ずんでいた。かの大戦に重装甲兵器《メック》を送り込んだ「ファクトリー」と呼ばれる大都市国家はその門戸を閉ざし、近隣国家に注視されていた。戦場へと赴く五カ国のうち、自分の帝国を東欧の支配者にまで成長させ、富と名声を得るのは誰か? 世界中で数々の賞を受賞した世紀の傑作重量級ゲームが、完全日本語版となって堂々登場!  というわけで、巨大兵器メックが闊歩し灰燼烟るディーゼルパンクな世界で、謎の大都市国家ファクトリーと東欧の覇権をめぐる、ドラマとロマンの溢れるゲームです。 ◯魅力その1――シンプルなベース  このゲーム、プレイ時間は115分の4Xゲームなだけあってそれなりにルール量があるんですが、実際にはそんなに難しいゲームじゃなかったりします。  というのも、プレイヤーに与えられている選択肢はたった4つなのです。手番では個人ボードに描かれた4つの区画から、1区画を選択します。この1区画は上下に1アクションずつアクションが示されていて、この2アクションをそれぞれ実行できます。  つまり、4組8アクションから1組2アクションを選ぶだけなんです。  もちろんこの選択肢には各国の特殊能力なんかも絡んでくるので一筋縄ではいかないわけですが、それでも4つから1つを選ぶというのは比較的わかりやすいんじゃないかと。 ◯魅力その2――直接攻撃の軽減  4Xであり、戦争をテーマにしているだけあって戦闘がありますが、このゲームにおける戦闘は『殴りかかって勝ったのに痛い』可能性があります。  というのも、ゲーム中に非戦闘員であるワーカーを戦闘に巻き込んだ場合、勝利点に直結する民心が下がるのです。  また、戦闘で勝つために必要な軍事力は使い切りで...

ペーパーテイルズのご紹介

ボドゲ紹介 Advent Calendar 2018、3日目の記事です。  突発ですが、ボドゲ紹介 Advent Calendarに今年も参加させて頂きました。昨年参加した記事は こちら (大鎌戦役について書きました)を。  「ボドゲ紹介 Advent Calendar 2018」については こちら をご覧ください。  【概要】  ペーパーテイルズは、国産インディーゲーム「ヴォーパルス」のリメイク作品です。  ユーロ寄りながら、少しだけTCG的なテキストもある傑作ドラフトゲームです。  より詳しいルールの概要は過去に書いた こちら をご覧ください  【魅力1 経年による時間経過】  ドラフトで巡るユニットカードは、場に出すとラウンドの終わりに経年マーカーを乗せます。また、経年マーカーが乗った状態でラウンドの終わりを迎えると、ほとんどの場合そのユニットは捨て札となります。  経年マーカー一つはゲーム内の25年を表しており、2つ目が乗る50年までにそのユニットが十分に動けなくなることが読み取れます。同様に、2つ目のマーカーが乗っても大丈夫、すなわち長寿なユニットや、最初からマーカーが乗っており残りの寿命が短いもの、はたまたより多くのマーカーを乗せることで価値が高くなるものもあります。  この不均衡さに情緒と、時のうつろいを深く感じます。 【魅力2 経年しない建物】  先程経年について触れましたが、ユニットとは逆に経年しないものがゲーム中に登場します。それが建物カードです。  建物は最初からすべてのカードが公開されており、条件を満たすことで自分の場に建築できます。  建築された建物はゲーム内時間で100年の間、劣化することなく場に残り続け、恩恵をもたらします。この建物カードがあることで、ユニットカードのすぐに退場してしまう儚さが際立っているように感じます。 【魅力3 テーマと一致したシステム】  ここまでご紹介したように情緒と時間を感じられる素敵なテーマです。  同時にシステム的にも優れており、手札運の絡むユニットが2ラウンドで退場することで、運要素の影響を軽減しています。  ユニットとは逆の性質を持つ建物は最初からすべて公開されており、運要素はありません。そのため、どの建物をいつどの順に建てるかは計画的に行え...